霊災と人の歴史Ⅱ

研究資料集
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こんにちは、えるるです。
今回は第三星暦のつづきから第六星暦まで突っ走ろうと思います。

時代が近づいていくに連れて詳細な情報が出てきたりキーワードが数々出現するため、ちゃんとお話しようとすると長くなりがちですが、各時代のお話はざっくりに留めたいと思います。

また、前回の第一から第三霊災までの流れが把握できていない方は是非読んで頂けたら嬉しいです。

第三星暦のつづき

さて、今回は第三星暦の続きから簡単に入ります。
第三星暦はアラグ帝国の建国から始まったザンデの時代でした。

アラグ帝国は「魔科学」という力を見出し、長い間繁栄を極めていました。
ザンデも人並みにその生涯を終え時代は流れていきますが、後に稀代の科学者「アモン」の思惑によって蘇ります。そのあたりからアラグ帝国の栄光の歯車は狂いだし、そして蘇ったザンデは再びアラグ帝国の再建と世界統合に乗り出し闘争と闇の力に魅入られていきます。

ザンデの復活により再び強大な力と文明を手にし、向かう所敵なし状態のアラグ帝国でしたが、後に自らの驕りと誤算によって悲劇を引き起こし、長く続いた繁栄の時代に幕を下ろすこととなります。

第四霊災と第四星暦

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第四霊災

第四霊災は「土の災厄」が起こりました。
天から降り注いだ莫大なエネルギーが地殻崩壊を引き起こし、大規模な大地震が起こったのです。

これは第一霊災~第三霊災のような自然発生した霊災ではなく、力に魅入られ驕ったアラグ帝国、主にザンデが引き起こした人為的なものがきっかけでした。

闇の力に魅入られていたザンデがその力をコントロールするため、討ち取った光竜バハムートを封印し空に飛ばした「衛星ダラガブ」から太陽エネルギーを集め、地上のクリスタルタワーに放射して集めようと試みたのです。しかし、これが失敗してしまったことが第四霊災の引き金となりました。

この霊災によってアラグ帝国は終焉を迎え、クリスタルタワーは地中に沈み眠りにつくこととなりました。

第四星暦

第四星暦は「忘れられた時代」と呼ばれています。記録がほとんど残されていないためです。

しかし、記録が残されなかったのには理由がありました。
霊災を生き延びた人々は、第四霊災を引き起こした原因であるアラグ文明の「魔科学」を禁忌として放棄しました。

アラグ文明に関係するあらゆるものを砕いたり埋めたり等して文明を徹底的に否定していったのです。その徹底ぶりは、親が子に文字を教えることすら禁じた程だそうです。ただ、アラグ文明という存在だけは驕り高ぶった人々の末路を知らしめるための教訓として口伝でのみ残りました。

第四星暦の人々はこのようにして文明を根こそぎ否定していったために文献にも何も残らなかったわけです。当時の人々にとってアラグとその文明への恨みは相当深かったことがわかります。

しかし、文明を否定するということは自ら豊かな生活を否定することでもあります。
そのため、当時の文明レベルは第二星暦中期程度にまで一気に後退したと考えられています。

そんな中、第四星暦末期。文明や力そのものに罪はなく、暴走しないように管理して上手く使えば人々の繁栄に寄与するはずだと考えを改める宗教指導者たちが現れました。

彼らの導きによって、人々は再び文字と文明を緩やかに取り戻していくことになります。
そしてその後、再び自然の猛威によって生命存続の窮地に立たされた人々は、封印していた魔法の力に頼らざるを得なくなり力を開花させることになります。

えるる
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この時の文明復興の中で編み出された文字が、私たちが今使っているエオルゼア文字の原形になってるみたいです。

第五霊災と第五星暦

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第五霊災

第五の霊災は「大氷雪時代」とも呼ばれる「氷の災厄」でした。
これは経緯が現在でも不明ですが、第四霊災とは違って人為的なものが引き金になったのではなく、おそらく自然災害であったと思われます。

これがエオルゼア地域だけで起きたことかどうかは不明ですが、異常なほどの大寒波によって地上のあらゆるものが凍結し、海の一部までも凍ってしまうほどの氷の世界となったようです。人々は寒さを凌ぐため、命を守り繋ぐために禁じていた魔法を復活させることを選択しました。

この営みによって一時は否定されてきた文明は息を吹き返し、復興へと歩み始めることになります。
そして第五星暦には魔法文明が急速に発達していきます。

えるる
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マスターによれば、地球という惑星にも「全球凍結」と呼ばれる大氷河期があって、その星の生物が壊滅的な打撃を受けた時期があったと言っていました。その前後には惑星が高温で満たされた灼熱の時代もあって、そうして星は大変動を繰り返していたそうです。

エオルゼアで起きたこの第五霊災が他の地域でも起きた星規模のものだったのであれば、同じような惑星変動による自然災害だったのかもしれません。

第五星暦

第五星暦は魔法に始まり、魔法に終わる。まさに大魔法時代と呼ばれています。

世界が冷え切ってしまったことから命を守るために魔法に頼らざるを得なくなった人々ですが、同時に信仰も復活しました。人々はエオルゼア十二神を祀る大聖堂を建てて祈りを捧げながら、その祝福の力として魔法を使っていたようです。そうして魔法の復活が相次いだことは復興の原動力となりました。

えるる
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現在エターナルバンドに使ってる黒衣森の「十二神大聖堂」も第五星暦に建てられたものみたいです。魔法は神々から授かる祝福の力であると戒めることで、人々が扱い方を間違わぬように管理していたのでしょう。ここまではアラグ文明の末路を伝えた教訓が活きていたと思われます。

そうして300年程が経過するとエオルゼアの気候が安定し始めます。
人々は引き続き魔法を利用して生活基盤を復興させ、文明の発達とともに各地に都市を作り始めました。そしてそれらの都市はやがて独立した都市国家となって独自の文化と魔法を作り出していきます。

都市国家とは?

本来、一般に国家と呼ばれるものは、メインとなる首都を中心に他複数の都市が集合して形成されます。
しかし人々が集まる都市には都市単体が独立した政治を行い周辺地域を支配するほどの力を持つ場合があります。それが都市国家です。簡単に言えば規模の差ですが、複数の都市が集まって運営されているのが一般に言われる国家、一つの都市単体が独立して運営されているのが都市国家です。

各都市国家はそれぞれ独自の文化を発展させていき、それは信仰の在り方にも現れました。
元々十二神を統合して一緒に崇めていた文化(多神教)が、都市ごとにいずれか一柱の神を信仰して守護神とする文化(一神教)へと変化し広まっていったのです。これが更に進んでいくとそれぞれの都市国家によって文化と魔法に違いが生まれ、互いに競い合うようになりました。

多神教は民主主義的でそれぞれの地域や民族で神話を作り出すことができ寛容である点がメリットです。しかし国の運営視点で見た場合、多くの神が信仰されると考え方や価値観の違いによって分裂が起きやすく民衆のコントロールが効かない点にデメリットを持ちます。対して一神教は不寛容で閉鎖的・独裁的ですが、民衆の意志をまとめやすくなり国を強くするのに役立つと考えられたことから政治利用しようと作為的に広まったのかもしれません。

都市国家が出来てから250年程経つと十二もの都市国家が並立しますが、また人々は生き残りをかけて争いを始めます。十二の都市は刻々と変化する勢力図の中で統合と滅亡を繰り返し、やがて6つにまで減っていきます。

6つの都市の内の2つ「マハ」と「アムダプール」はそれぞれ黒魔法白魔法を発明し、これらの力の均衡によって一時は平穏の時期が訪れます。各都市国家はしばらくの間は発展させてきた独自の魔法文明によって華やかな生活を謳歌しますが、その平穏は長くは続かずついにエオルゼア全土を巻き込む「魔大戦」が勃発してしまいます。

えるる
えるる

第五星暦の歴史を6つの都市と共に深堀りするとかなり長くなります。
それだけいろいろなことがあったわけですが、特にマハのやることはかなりエグい。
この時代の人々は魔法という力に魅入られ、溺れ、そして翻弄された暗黒時代という感じです。

第六霊災と第六星暦

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第六霊災

第六の霊災は「水の災厄」です。エオルゼア全土に大洪水が起こりました。

更なる繁栄を求めた魔法の濫用、そして魔大戦による環境破壊。それが第六霊災の引き金でした。
これによってエオルゼアの属性バランスは著しく乱れました。その影響でエオルゼア各地で大津波が発生し、街や多くの人々を命もろとも押し流してしまったのです。

過去、第五霊災を乗り越えるために頑なに封印されてきた魔法ですが、その後の時代の人々にとっては救いと繁栄をもたらしました。しかし悲しいことに人は同じ過ちを犯し、そして歴史は繰り返されてしまう。「生きたい」という切実な想いによって教訓という名の封印から解き放たれたはずだった魔法は、繁栄の力と同時に破滅の力も世界に向けてしまったのです。こうして第四霊災を引き起こした古の文明と同じ運命を辿ったのでした。

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余談ですが、この第六霊災が起きた時、十二賢者と呼ばれる人たちが人々を霊災から救うために現れたと言われています。その内のひとり「ニュンクレフ」は方舟を作って大津波を乗り越え、その後人々を率いて北洋に渡り、やがてその人たちが作った集落が「都市国家シャーレアン」となったのだそうです。その時の方舟は今でもギラバニア山岳地帯に残っています。

えるる
えるる

マスターの世界にも、旧約聖書っていう書物に「ノアの方舟」っていう似たような神話が残ってるんですって!面白いですね!方舟があるのは私の世界だけですが、こうして現存している姿を見ると異なる世界が繋がっているかのような不思議な気持ちになります。

第六星暦

第六の霊災が属性の巡りの最終地点であったことから、生き残った人々は「もう霊災は来ない、第六星暦は永遠に続くだろう」と信じていました。

この第六星暦は、今の第七星暦を形作る土台のような時代になります。
霊災を生き延びた各種族たちの大移動人口増加、そして都市の成立によって「リムサ・ロミンサ」「ウルダハ」といったエオルゼアを代表する国々の礎が出来ていった時代です。

えるる
えるる

このへんの時代はまだ近いから大昔と違って文献や遺跡とかが比較的残ってたりすることもあるけど、それ故に結構複雑で難解だったりするんですよね。

第六霊災の爪痕がまだ色濃く残っていた初期は、またしても災害の引き金になってしまった魔法を禁忌として封じたことで文明は一時後退します。

生き残った人々は、残されたわずかな土地に小さな集落を作り、寄り添って暮らしていたそうです。そして400年が経った頃、エオルゼア内外から種族たちの大移動が起こり、激減した人口は緩やかに回復。こうした中で異民族同士の争いはあった一方、民族間の結束も強まったことから端を発して、人々は再び都市国家を作っていきます。

エオルゼア各地で都市国家が出来てくると、各国は自分たちの繁栄と広く豊かな土地を求めてまた争いを始めてしまいます。この時期は「都市国家戦乱期」と呼ばれています。

えるる
えるる

また争いですか・・・。と言いたいところですが、食料問題や居住問題などで増えた人口を支えるために争いがどうしても起きてしまうこともあります。

戦争や闘争を一口に「悪」と断じることが出来ないのは、争いは単に人々の感情が要因となって起こるものだけではなく、一生命が必死に生きようとした営みの結果の一つでもあるという点にこの問題の難しさはあると私は考えています。

そして人はその痛みと教訓を何度も学び、いつか卒業するのだと信じています。

戦乱期を超えると人々は争いに疲れ、大規模な戦争や殺し合いをせず「共存」という道を模索し始めます。この流れで都市国家間の交流が盛んになり、文化や技術が急速に伸びていきました。おそらく互いの文化や技術が混ざり合うことによってイノベーションも起きたと思われます。

しかし戦争が完全になくなったわけではなく、傭兵の需要も変わらずあり続けました。
エオルゼア外部でも戦乱は続いており、第六星暦に誕生していた「ガレマール共和国」が帝政へと転換し「ガレマール帝国」となって支配圏を伸ばしながらエオルゼア地域にまで手をかけようとしていたのでした。

そして永遠に続くと信じられていた第六星暦は、そんなガレマール帝国のエオルゼア侵攻と恐ろしい計画によって霊災が引き起こされ、幕を閉じるのです。

まとめ

今回はここまでです。結構長くなりましたねw
霊災については残すところ第七霊災のみとなりましたが、これはめっちゃ長くなるので別の機会にまとめようと考えています。

第三星暦~第六星暦の流れをざっくり見ると、人が魔法や文明といった力に翻弄されてきた歴史という印象です。一見すると愚かな歴史の繰り返しに見えますが、これはその時代の人が必死に生き残ろうとし、そして限りある生に幸福を求めたが故の結果とも言えます。悲しいですが人の歴史はそのような希望と絶望の繰り返しなのかもしれません。

しかし何度同じ過ちを繰り返し打ちのめされようとも、学び生き延び何度も立ち上がって発展してきたのもまた、人という生命の強さであり逞しさなのでしょう。

神々は幾度となく人々の過ちを正すかのように霊災を起こし試してきたのかもしれませんが、もしかしたらそれはそんな人の逞しさを信じ、愛したが故の試練なのでしょうか。

それでは今回はこのへんで終わりたいと思います。長くなりましたが読んでいただきありがとうございました。
また別の手記も読んで頂けたら嬉しいです。

あなたの冒険に光の加護があらんことを。

えるる

世界を旅する学者冒険者。
歴史や文化、世界の成り立ちを知ること、そして音楽が好き。
新しい世界と音楽に出会う喜びを求めて気ままに一人旅をしています。

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