霊災と人の歴史Ⅰ

研究資料集
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神々に愛されし地、エオルゼア。
今でこそ様々な生命が息づく自然豊かな母なる大地ですが、長い歴史を辿ってみればこれまで何度も生命は絶滅の危機に瀕してきました。

それら災厄は「霊災」と呼ばれ、エオルゼアに生きる者たちによって長く語り継がれています。
しかし霊災は星の大変動や自然の猛威としてだけではなく、エオルゼアに住む人々が引き起こした悲劇でもありました。

霊災とは一体なんなのか、そして人の歴史がどのようにして始まり霊災と関わってきたのか。
今回はストーリーでもほとんど語られておらず、記録にも残されていない「第一霊災~第三霊災」についてまとめたいと思います。

霊災とは

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エオルゼアと人の歴史は、霊災と共にありました。霊災とは、惑星ハイデリンの主にエオルゼア地域で何度も起こってきた大災害のこと「衰亡の時代」とも呼ばれています。

歴史を語る上でよく出てくるワードですが、同時に「星暦」という言葉もよく登場します。これは「繁栄の時代」とも呼ばれ、霊災が去った後に人々が繁栄していく時代を指しています。霊災が起こると新たな星暦が始まり、新たな霊災が来るとまた新たな星暦が始まる。

このようにしてエオルゼアの歴史は、衰亡→繁栄→衰亡→繁栄、という流れを何度も辿ってきたのです。

私たち光の戦士が生きる時代は第七星暦なので、これまで7回もエオルゼアには霊災が起こっていたことになります。そして第一霊災第六霊災までは各属性を象徴する災害が起きていたため、その霊災が過ぎ去った後の第六星暦は永遠に続くと考えられていました。

しかし、ガレマール帝国が引き起こした「メテオ計劃」によって第七霊災が発生。
そこから第七星暦、そして5年後には私たちの冒険が始まりました。

第一霊災と第一星暦

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第一霊災

エオルゼアの世界では、史学者たちによって「人の時代は第一霊災の後に始まった」とされています。
その前は神々の世界、神話の時代があったというのが定説になっています。
そして神話の時代を終わらせた始まりの第一霊災は「風の災厄」であったとされています。

これは第六霊災水の災厄であったことから六属性の巡りから逆算して導かれ確定的となった定説です。またこの説を裏付けるものとして、モグモグホームのモーグリ族が当時の話を伝承として語り継いでいます。

この災厄が起こったことで神話の時代が終わり、人の時代である第一星暦がスタートします。

エオルゼアの属性は「風→雷→火→土→氷→水」という流れで循環します。
第一霊災の属性は、この流れを逆算して辿って特定されたわけですね。

第一星暦

第一星暦石器文明の時代だと考えられています。

神々が滅んだ後、人は石器によって狩猟を行い、火を使って文明発展の道を切り開きました。
また、種の増加と存続のためには狩猟だけでは限界があったことから農耕社会も発展していきます。
増えた人口が支えられる程に発展した集落は村や街と呼べる規模へと発達していきました。

また、青銅や家畜などの文明発展を用いて欲望のままに自然を支配したために、他の多くの生物がこれによって絶滅したと推察されているそうです。

第一星暦末期においては、大規模になった集落の中で民を束ねる者が「王」として出現し、周辺の集落を武力で支配していたと考えられています。

えるる
えるる

魔法がまだ存在しない、まさに原始時代と呼ばれる時代ですね。
ですが、人が文明や力を発展させていく基盤は既にこの時代からできていたんですね。

絶滅してしまった古代生物達がどんな姿だったのかも気になります。

第二霊災と第二星暦

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第二霊災

これまで自然を支配し繁栄してきた人々ですが、そこに自然の猛威が復讐の如き災厄となって牙を向きます。
それが第二霊災です。

第二霊災は「雷の災厄」とされています。
年単位の雷雨が続いたことによって集落や農耕は破壊され、地上に住めなくなった人々は洞穴へと移住します。

しかし、洞穴での生活は農耕もできず衛生環境も悪かったため、これまで増えてきた人口を支えることができず大幅に減少。人々は絶滅の危機に陥ります。

追い込まれた人々は神にすがり、救いを求めて祈りを捧げる日々を過ごしました。
そしてその行いの中で初期の「魔法」の知識が発見され、研究されるようになります。

余談ですが、私はこの頃から人は「文字や絵」などの伝達ツールを編み出していたのではないかと考えています。魔法文明の発達には文字や円などを使ったエーテルの循環に関する理解が必要不可欠だからです。また、それを共有し伝えることができなければ文明というものは発達しません。
なるべく正確な意思疎通によって知恵を共有し、力の使い方や新たな発見を後世に伝えていく。このような営みは、生命の種の存続と繁栄のためには大切な要素なのです。

このことから、人々はこの頃から文字や絵というものを獲得していたのではないかと分析しています。

えるる
えるる

最初に発見された魔法ってどういうものだったのでしょうか。
火や水を作り出したのかな?エーテルの発光とかで魔法の存在に気付いた?人々は神から授かった力だと思って驚いたかもしれませんね。

第二星暦

魔法の力に目覚めた人類は、第二霊災によって続いた天候不順を乗り切り第二星暦をスタートさせました。

第二星暦では、魔法を操ることができた「まじない師」や「神官」たちが権力を握って民衆を束ねました。その社会の在り方はやがて宗教という形となって宗教国家が各地で相次いで成立していきます。

各宗教国家たちは、純粋な信仰心と権威を示す手段として神殿墳墓を作りました。
その過程の中で鉄器祭器などのさまざまな製造技術が発展していきます。
異なる宗教の間で技術競争が起こっていたのかもしれませんね。

しかし競争はやがて対立へと発展していき、第二星暦末期にはついに戦乱となってしまいます。
「浄化」「聖戦」という言葉によって正当化された殺戮は、無益に多くの命を奪いました。

耕作地は焼かれ、民衆は疲弊し、戦争に関係ない人々まで大量に死に至らしめました。
そして戦火が広がり大地も国々も疲弊しきった頃、再び人類に追い打ちをかけるように自然が猛威を振るいます。

えるる
えるる

現代にも残る代表的な宗教国家といえば、イシュガルドですね。
竜詩戦争によって常に傷だらけの暗い都市ってイメージでした。

宗教特有の洗脳もあってか頭の固い人が多くていろいろと大変な目に遭いましたね。

第三霊災と第三星暦

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第三霊災

第三の霊災は「火の災厄」でした。
長く続いた大規模な日照り大干ばつです。

これによって人々は戦争の打撃に加えて干ばつによる飢えに苦しむことになります。
度重なる宗教戦争によって疲弊していた国々は回復の見込みがないほどに追い込まれ、大量の餓死者を出しました。

今なお暑く乾燥したザナラーン地方の砂漠や気候は、この霊災の影響によるものと考えられています。

第三星暦

第三霊災による干ばつと飢えに苦しむ中、これまでの行いから「宗教や神のために命を賭けることは愚かなことだ」と学び、人の力によって国を運営し繁栄していこうと考える人々が現れました。

人の才を神より信じた人々は再び集い国を作り、生き残りをかけて才を競い合います。
その中で現れたのが後に稀代の天才と謳われたザンデでした。

ザンデによる類稀な指導力によって民衆はまとめられ、その後「アラグ帝国」が建国されます。
第三星暦はまさに、ザンデの時代と言われていました。

天才的頭脳を持った「アモン」の手によって死後蘇り、七大天竜の一翼「光竜バハムート」をも討ち取りますが、それがきっかけとなって起こる後の計画によってエオルゼアに再び災厄が訪れることになります。

えるる
えるる

戦争の傷跡に大干ばつという災害と飢え。これだけの打撃を受けながら生き延びてみせる生命というのは神々から見ても驚異的だったのではないでしょうか。

神や自然よりも人が力を持って星を支配しようと奮闘した時代でもあるので、ある意味人が神々の力に近づこうとし、また超えようと対抗した時代だったのではと私は考えています。

まとめ

今回はここまでとなります。

私はリアル世界の世界史に詳しいわけではないですが、原始時代になるほどエオルゼアの世界はリアル世界の歴史と共通している点がいくつかある気がしました。そのへんが結構面白くて、FF14の歴史を辿ることがきっかけで世界史を学び直すのも悪くないかもと思える程でした。

また、公式設定資料集は石器時代の人類が絶滅させてしまった生物について書かれている点も非常に面白かったです。叶うならば昔の世界の姿も見てみたいものですね。

ちなみにエオルゼアの原始時代の人にはリアル世界でいう猿人(アウストラロピテクス)や原人(ホモ・エレクトゥス)などと同じような進化過程の特徴がみられますが、火を使ったり農耕社会を早く築いた点では惑星ハイデリンの人の方が文明の発達速度は速かったかもしれません。こんな比較も面白いですね。

こうして歴史を知った上で改めて世界を見るというのは、全然違った視点や想いが湧いてきます。
そしてその痕跡は今世界にある岩や遺跡などが言葉なく語っていると思うと、今まで素通りしてきたダンジョンやフィールドを今一度じっくり眺めてみたくなります。

次回は第三星暦の続きと第四霊災~第六星暦までまとめたいと思います。
それでは、あなたの冒険に光の加護があらんことを。

えるる

世界を旅する学者冒険者。
歴史や文化、世界の成り立ちを知ること、そして音楽が好き。
新しい世界と音楽に出会う喜びを求めて気ままに一人旅をしています。

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